11/17 デニム ポケット口リペア

 11月も半ばを過ぎて

朝夕は少し寒くなってきた関東です。

でも千葉だとまだ暖房を使うほどでもない感じですね。

 

今回はデニムのポケット口修理デス☆

目を凝らしてよ~~く見て欲しいんですけど

中央の劣化をデニム移植でリペアしました。

裏側はちょっと分かりずらいかもしれませんが

こんな感じです。

 

修理用に沢山ストックしてあるジーンズで

一番近い雰囲気のポケット口を切り取って

現場へ移植します。

どうしてもポケット口で似た雰囲気がない時は

バックポケット口とか裾口とかでも代用できますね。

これで加工料は2000円程です。

 

兎にも角にも前にも何度か記事で書かせていただきましたが

こと前ポケット口の劣化を放置しておきますと

口幅が伸びてしまってリペアしても

ポケット口がU字状に膨らんで

カッコ悪くなりますので ここの修理はお早めに☆

 

 

 

11/7 ジーンズ前ポケットの袋地交換

ジーンズの前ポケットは通常

平織りもしくは綾目のオフ白の「袋地」というような呼び方の素材で

作られています。

使い方や頻度、ポケット口幅等の形状や

お客様の指輪やブレス等の摩擦で劣化が進みます。

 

 コレはコインポケット側の袋の劣化です。

最初に底が劣化して補修したあと上位部が縦方向に裂けています。

生地自体が相当痩せていますので新しい袋地と交換のために

一旦分解しました。

たかが袋地と思いきや

コレを分解するためには

サイドライン、ベルトラインポケット口、コインポケットに

それに伴うリベットもすべてがずしますから結構な大工事になります。

 

そして袋地を展開すると上の右画像のような形ですので

型取りして新しい生地を裁断します。

あとは元のように縫い合わせて

リベットを打ち込めば完成です。

ジーンズの仕様にもよりますが4000円~5000円程です。

11/1 道具は職人の命

「道具は職人の命」なんて見出しで

少しカッコつけてみました(^^)

 

この鋏は通常「裁ち鋏」といます。

昔は「ラシャ鋏」ともいって

舶来の生地の事を「ラシャ」と呼んでいて

厚手の羊毛素材を切る鋏は当時日本になかったことから

「ラシャ鋏」と呼ばれていたようです。

当店ではデニム素材を専用に裁断するのに、この「裁ち鋏」を使います。

歯先は地鉄と鋼を付け合せたもので

焼を入れ、反りを合わせて仕上げる鋏で

最近ではステンレス製のものもありますけれど

やはり砥ぎを入れながら長く愛用するならコレに限ります。

今回は少し大きめの280ミリタイプを購入してみました。

今までの240ミリタイプよりもずっしりとした

重厚な切れ味感があります。

無論240ミリは砥ぎ出しから帰ってくれば

また元の切れ味を取り戻してくれるでしょう(^^)

 

 

 

10/22 ベルトループ付け根破れ

先ほどメールのお問合わせで

「ベルトループ付け根破れ修理」

 のご依頼がありました。

意外にあるケースでベルトループの付け根から

ボディーの素材が根こそぎ抜けています。

要因の一つはベルトループの付け位置が考えられます。

ベルトループは当然ベルトが中を通りますので

多少ゆとりのある付け位置にしませんと

画像のようにボディー側に負担がかかって抜け切れてしまいます。

 

このような場合は

一旦ベルトループを外して

ボディー側を補修後、緩みをきちんと出した場所に

ループを付け直す加工になります。

加工料金的には1500円ほどです。

 

10/11 クラッシュ加工の破れ

これは元々クラッシュ加工された部分が

着用の過程で劣化して横糸が切れてしまった状態です。

クラッシュ加工物は新しい時点でユーズド感を出すために

あらゆる加工が施されます。

基本は酵素系の溶剤で生地を柔らかくします。

柔らかくというと聞こえがいいのですが

要は酵素剤にデニムを漬け込んで繊維を痛めつけ腐らせているわけです。

そして塩素系の溶剤で部分的な色抜き

サンドブレスター(砂を勢いよくデニムに噴射してダメージを与えます)

その他グラインダーや鑢など、驚くほど手間をかけてダメージ感を出します。

ひところ昔ならタンブラー(要は大型洗濯機)に軽石を入れて水洗いする程度で

堂々と「ユーズド加工」って事でしたが

昨今はホントに履き込んだユーズド感と

見分けのつかない物も結構あります。

今回ご依頼のデニムは

ブラックデニムの顔をしているのですが

横糸はインディゴ色に染められている特殊なジーンズです。

このような場合は裏側に当てる生地もインディゴ色的な色合いのものを

選ぶ事が重要です。

「穴になった」「裂けた」「将来的に破れそうだ」などというすべての場合

一般の洋服直し屋さんなら表のデニム色(この場合ならブラック系)の

当て布を選んでしまう傾向にあるようですが、

デニムの修理の場合は、「横糸の色が何色なのか」が重要です。

ほとんどのジーンズは愛着していると

細い経糸が先に劣化して横糸が後に残ります。

そしていずれ横糸も劣化して切れるのですがその切れる前に

補強しておけばユーズド感を長く楽しめます。

そんなわけで修理の当て布は横糸と同系色にしておくことが

長い目でみると自然に仕上げるのには最適なわけです。

クラッシュ加工物のジーンズ等は

派手な穴になる前にリペアする事をお勧めします。

 

 

 

 

 

10/2 ジーンズ 内ポケット修理

 ジーンズの前ポケットの内側は

通常「袋地」と呼ばれる綿100%もしくは綿とポリエステルの混紡の

素材が使われています。

 

 今回のジーンズは半面をデニム素材、半面を袋地素材で

加工されたポケットのようです。

長く使用して、生地感の薄い袋地の方が先に劣化して

パンクした状態になっています。

このような場合は袋地全体が生地痩せしていますので

袋地をすべて交換する方法がよいのですが

袋地交換は思いのほか大工事になります。

まず、ベルトライン、サイドライン、ポケット口の3方を分解しますので

サイドにリベット等がついている場合は

一旦外して他のリベットと交換になります。

ゆえに今回は部分的に袋地を補強する方法でリペアします。

一旦デニムと袋地を部分的に分解して

袋地側を十分補強して、元の状態に縫い戻しました。

加工料は1500円程です。

 

 

 ジーンズの前ポケットの袋は劣化がひどくなると

意外にも加工がヘビーになりますので

早め早めのリペアをお勧めします。

 

9/22工業用ミシンは長寿命

工業用ミシンの裏側ですね

下の薄緑の液体は、いわゆるミシン油で

常時切らさないように満タンにしておかなきゃいけません。

 

手前で丸く銀色に輝いているのは

ボビンケースで、ボビンケースの中にはボビンという

太鼓状の駒が入っていて、その駒に糸が巻いてセットしてありまして

それがいわゆる下糸ともうします。

本縫いミシンは上の糸と下の糸を絡ませて縫い上げるという寸法です。

そんな訳でまさしくミシンの中枢なのでここにほんの小さな

傷が入っても、回転のタイミングが微妙にずれちゃっても

ミシンの機嫌が悪くなって綺麗に縫えなくるので

メンテナンスは欠かせません。

 

ミシンは大事に使えば30年以上は軽く使えて

このブラザーの工業ミシンも20年以上の代物ですし

チェーンステッチのユニオンスペシャルなんかは

人気機種なので50年前の代物が大活躍してますから

ミシンは大事に使えば丈夫で長持ちなんですね(^^)

 

9/7  前ポケット回りの修理

劣化の状態を見ますと

元々クラッシュ加工されていた部分が

穴になってきた状態とおもわれますね。

「綺麗に仕上げる」というのと

「自然に仕上げる」というのと

「機能的に仕上げる」というようなそれぞれの観点から

修理方法を決定するのですが

たとえばコインポケットの穴は

元々クラッシュ加工されていて

前ポケットに物を出し入れする摩擦抵抗で穴になったと予測されますので

ここは頑丈にデニム移植をチョイスします。

横糸移植ではいずれまた劣化してしまうでしょう。

それとポケット口下の穴も

元々のクラッシュ加工が穴になったものと思われます。

ここに関しては摩擦抵抗の少ない場所ですので、

元のクラッシュ状態に近い横糸糸移植で自然に仕上げました。

もちろん裏からの当て布と縦方向の糸入れで補強してあります。

できるだけ自然に仕上げるということと

機能性や場所の特性で修理方法もさまざまになります。

 

 

9/3 膝破れリペア

履く人の動きの癖やサイズ的な緩みも

関わってくるのですが

概ね劣化してくる場所は予測がつきます。

 

画像のジーンズは内股から浮いてきた髭ラインの

延長線上が膝の圧迫に堪えられなくなって

リップになってしまったようです。

多少タイト目シルエットによくある劣化状況でしょうか。

本来、ゆっくり縦糸が劣化して、消失した後に

横糸だけが残ってくれるのが理想ですが

なかなか思うように劣化してくれないようです。

このような場合は

裏側からシーティングの当て布を現場と現場回りの2重に施して

縦方向に50番手の糸を適度に糸入れして補修しました。

いつもいうのですが、必要以上に糸入れを多くしたり厚手の生地を施すのは

却って二次的に劣化につながりますので(^^)

 

8/27 破れ補修の糸選び

まずは画像をご覧ください

じっくり観察していただかないと

わからないのですが、このジーンズは

ベージュ色に織られた素材にインディゴを

オーバーダイ(後から染め上げる)された代物です。

通常はインディゴで織られた素材にベージュ色やグリーン色等を

オーバーダイしてユーズド感を出しますから、

まったく真逆に作られたデニムです。

履きこんで洗っていくうちに

オーバーダイされたインディゴが色落ちして

ベージュ色がくっきり出てきています。

そんなわけでコレが修理後です。

向かって左側の小さな傷は以前インディゴ色が強かった時に修理した部分で

よく見ないとわわからないのですがグレー系の糸でリペアしています。

ところが今回右側はまったくインディゴ色がなくなっていますので

ベージュベースの糸で修理しています。

修理の糸選びの際は将来の色落ちもある程度予測して

決定するのですがインディゴ色が強い時期にベージュ色の糸は

なかなか使えませんので修理屋泣かせのデニムです。

でもなかなかいい雰囲気に色落ちしていてカッコいいです。

まだまだ人でいえば40代程度の感じですから

これからどんどん渋みが増しそうです。

 

8/9 ボタンフライをジッパーフライへ変更

 

ボタンフライのカッコよさをとるか?

ファスナーの機能性を重視するか?

難しい洗濯ですけど、

若き時はマニュアル使用の車を

ブイブイいわしていても

大人になるとオートマチックが楽ちんみたいな感覚で

私もご多分にもれずファスナーのほうがホッとします(^^)

といってオートマチックで全開になってたらまづいですけど(+_+)

ファスナーはYKKの純正のNO4ジーンズ用のモノを

使用してありますから、耐久性は世界水準です。

この加工の一番の難題は元々あったボタンホールの始末です。

結局目つぶしするわけですが多少硬さが出ていましいます。

ファスナーの奪着には問題ないのですが、、、、

だた、しばらく使用していただくと若干ですが柔らかくなってきます。

 

逆にジッパーフライをボタンフライに変更することもできますので

お問い合わせください。